kirarin_star’s diary

行き詰った時、苦しくなった時、幸せに浸りたい時、座る椅子が欲しくありませんか?日々の記憶が椅子となり、私を支えてくれると信じたい…

最後の礼

今でも、たまに思い出す風景がある。

 

高校三年の初夏。

 

思わず振り返って礼をした時、思わず溢れた涙。

 

 

小中高と8年間バレーボールをやっていた。

 

今思い返すと、楽しかったことしかない。

 

でも、思春期真っ只中のあの頃の私にとっては

 

いいことより、はるかに多かったつらいこと。

 

 


あの日は、現役最後の大会の前日。

 

最後の練習だった。

 

いつもは練習後、コートに礼をする。

 

あの時もそうした。

 

そして荷物を持って体育館を出たとき、

 

無意識に体育館に向かって礼をしていた。

 

明日の大会に向けてテンションが上がっていたので、

 

感傷的な想いはなかったと思う。

 

でも頭を下げた瞬間、なぜかこみ上げるものがあった。

 

チームメイトや後輩の手前、頭を上げたときには何事もない顔をしたと思う。

 

後で一人になった時、気が付いた。

 

いつもはしない礼を無意識にしたのも、

 

思わずこみ上げた涙も、

 

8年間の最後だと心と体が知っていたから。

 

 


事前に、状況や言葉を整理して、

 

準備して事に当たった結果、

 

感動や涙が生まれることは理解できる。

 

でも、無意識に溢れるものは少ないのではないか。

 

 

今現在、思い出すのはこの風景だ。

 


心からの、飾りのない想いを忘れたくない。

 

自分を豊かにしてくれるような気がして。

 


他にもあったはずだが、すぐには思い出せない。

 

もし、思い出すことがあったら、今度はきちんと書き留めておきたい。

 

私を支える椅子となるように…

 

 


行き詰まった時、

 

苦しくなった時、

 

幸せに浸りたい時、

 

座る椅子が欲しくありませんか?

 

日々の記憶が椅子となり、私を支えてくれると信じたい。